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好きだ。-烏達の恋-

第6章 小心者の緊張


菅原side


部活終わり。今日は大地と風間と一緒に、後輩より先に坂ノ下商店に向かう。


貴「でも、いいんですか?菅原先輩。」

菅「勿論、悔しいさ。でも、それ以上に楽しみだ!」


そう言って笑うと、大地も風間も笑ってくれた。
悔しいは悔しい。勿論、コートに立てない事もだけど、なんか敵から補欠宣告されたみたいで、正直ムカついてる。でも、強豪があの二人の速攻を見て驚く顔も見たい!
そう思っていると、後ろから俺を呼ぶ声が聞こえる。


影「菅原さん!」

菅「影山?大地ちょっち先いってて~」

澤「おー」


二人が坂ノ下商店に入っていく頃、影山が俺に追い付いてきた。そして、いきなり


影「菅原さん。俺、実力で菅原さんに勝ててるとか、思ってません!絶対、実力でレギュラー取ります。」


と、言ってきた。予想外の不意討ちに、唖然。言葉がでない。


菅「え?」

影「…ど、どうしましたか?」

菅「い、いや。影山は俺なんか眼中に無いって思ってたから、何だか以外で…」

影「?」


影山は説明しないと分からないから、俺の停止しそうな頭をどうにか動かし、言葉を探す。


菅「悔しいけどさ。体力も実力も、お前の方が上だろ?だから…」

影「経験の差は!そんな簡単に埋まるものじゃないです!…そ、それに…チームメイトからの、信頼、とか…」


(おお。あの試合相当堪えてるな。)


中学最後の試合で仲間から拒絶された影山。元チームメイトとの軋轢。でも、それが今の影山が居ることと繋がってる。


影「…だから。負けないっす!!」

菅「うん!俺も負けない!」


影山が辛い過去を完全に乗り越えた時、きっと俺がどんなに大変な練習しても追い付けないレベルまでいってしまうだろう。でも、俺は俺に出来る事をして、影山とみんなと"先"へ行きたい。

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