第1章 はじまり
(ぐふふふ……やっぱりね)
教頭がズラなのは教室でも話題だったので、やっぱり、という感じだったが
?「なんだ、ズラだったのか。」
(気づかなかったのか?!)
?「は?皆入学式で気づいてたぞ‼」
(うんうん。)
?「お、お前ら、やや、止めろ…ぶはぁあぁ!!」
?「田中もやめろ!!」
(や、やば。面白すぎ…)
笑いを堪えてお腹を抱えていると、ズラが飛んだ教頭と、ズラをキャッチした男子がこちらに向かって歩いてきた。
(や、ヤバイ!!)
咄嗟に下駄箱の陰に隠れる。
二人が離れたら、この場から逃げる算段だったが、二人は私がいる下駄箱の近くで話しを始める。
(そこにいたら逃げられないじゃん!やっぱついてない……)
?「あの、先生…」
教「…それを返したまえ。」
?「は、はい。」
教「澤村君、この件は不問にする。その代わり他言無用だ。全員、全て忘れたまえ。」
澤「はい。わかりました。」
そう言って教頭は校舎に戻っていく。
(ふぅ、バレずにすんだ。)
はずだった。
?「君、もしかして、見た?」