第4章 3対3
貴「なかなか上手くいきませんね。」
菅「確かに。でも、影山のトスが凄い勢いで精度が上がってきてるのは分かるよ。」
"ビュン、スカン"
縁・貴「…そうですか?」
私には影山君のトスが日向君に全く合っていない様に見えるけど、きっと同じセッターだから良く分かるんだ。
(…同じ、ポジション。)
菅原先輩が私の隣でキラキラした顔で試合を見ている。でも、私は気づいてしまった。影山君も菅原先輩もセッター。変則的な編成をしない限り、試合中セッターは1人。
(同じ部活の仲間。でも…ライバル。)
どちらかが泣き
どちらかが笑う
運命が別れる
実力が上か下か
共に心から笑える事は
多分厳しい
スポーツの世界は、やっぱりシビアだ。
でも二人には一緒に笑って欲しいって思う私は、わがままなのだろうか。