第4章 3対3
日「…っぶはぁ!!」
影「あ、悪い。」
日向君は、その後も影山君のトスを信じて翔び続けて、何回も顔面に高速トスを食らっている。
清「大丈夫?」
日「ひ、ひゃい!////」
貴「日向君、顔冷やす?」
日「だだだ、大丈夫!///」
日向君が顔を真っ赤にして慌てている時に、月島君はため息をつき、影山君は…
日「おい影山!!何ニヤニヤしてんだよ!!今ので顔面2回目だぞ!!」
影「っ?!」
なんか、新しいゲームを買って貰った子供みたいな顔をしていた。きっと、小さい頃から影山君が喜ぶゲームはバレーボール関係だけだったと思うけど。
(うーん、小さい頃とかはどうだったんだろう。…小さい時から目付きとか悪くて、ボケぇしか言わなかったのかな…。)
私が妄想していると、月島君の呟きが聞こえてきた。
月「…出来るわけ無いのに、何でやり続けるんだか。」
その決めつけた様な言い方に、少しイラッとして、月島君の台詞に噛みつく。
貴「月島君には出来なくても、日向君なら出来るかも、しれないよ?」
月「いやいや、普通の速攻ならまだしも、あれは誰でも無理。まして日向なんて、論外でしょ。」
そうかなぁと、首を傾げていると、私の肩に澤村先輩の手が乗る。
(////)
顔が赤くならないように、頭の中で平常心平常心と繰り返す。
澤「確かにな。だけど日向は、何回でも翔ぶぞ。影山のトスを信じて。」
月「…本当、気合いでどうにかなるなんて、大間違いだ。」
月島君は、私が見たこと無い顔をした。
いつもの皮肉屋ではなく、とても苦しそうで、辛そうな、悩みを抱えた普通の高校生…みたな。
もしかしたら彼は、私が想像しているような人では、無いのかもしれない。