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好きだ。-烏達の恋-

第4章 3対3



何か影山君と日向君が二人で話をしてる。
ふと、澤村先輩を見ると目があった。先輩は私を安心させるように笑って親指を立てる。

『大丈夫だ。心配するな。』

そんな風に、言われている気がして私も自然に微笑んだ。
二人が戻ってくると、試合が再開する。影山君の頭上にボールが来ると


"ビュン"


日「っ!!!」


高速トスが日向君の向こう側に転がる。


影「おい!もっと早く…っ」

月「でたよ!王様。」

影「あ?最初から出来るわけねぇだろ?!」

月「どうかなぁー。」


そのあと、何回も何回もやったけど、なかなか成功しない。日向なんて、ネットにひっかかった魚みたいになった。影山君もイライラしてるみたい。
すると、ずっと黙って見てた菅原先輩が影山君に声をかける。


菅「影山、それじゃあ中学の時と変わらないよ。」

影「…こいつには瞬発力もついでにバネも。慣れれば早いボールにだって……」

菅「…日向のすばしっこさっていう武器、影山が潰しちゃってるんじゃないの?」

影山君は、菅原先輩が言いたかったことが分からず、首を傾げたまま硬直している。


菅「えーっと、だから。その…」

田「スガさん、ファイト!!」

菅「お前だったら、こう、もっと日向をうまく使えるんじゃないの?」

影「っ?!」

菅「影山が凄いのは、俺も同じポジションだから分かるよ。圧倒的なボールコントロール、相手のブロックに対する観察力、適切な判断力、全部俺には無いものだ。」

田「っそんなこと」

澤「まぁ、待て。最後まで聞こうや。」

菅「…そんな周りを見る目を持っているお前が、チームメイトが見えないはずがない!!」

影「…っ!!!」



体育館に、風が吹き抜けた。
まるで烏野バレー部に何かを届けるみたいに。



影(何か上手いことって……なんだ?!!)


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