第3章 同級生
私は1限目だけ保健室で休ませてもらい、2限目から授業に出るため教室に戻った。
山「あ!風間さん!大丈夫?保健室に居たんでしょ?」
貴「山口君、大丈夫。でもなんで知ってるの?」
山「ああ!先生が1限目だけ調子悪いから休んでるって言ってたから。」
貴「そっか!心配かけてごめんね!もう平気だから。」
そう言って笑うと、山口君の顔が少し赤くなる。なんか可愛いと思っていると、耳に入ってきた、嫌な声。
月「はぁ、ほんと、世話が焼けるなぁ。」
貴「貴方に世話してもらった記憶は御座いません。」
私は冷静を装って言葉を返す。
月「へぇ、じゃあ、この用紙は要らないよね~」
そう言って私の目の前に出された紙は、高校生になって初のクラスイベント、春の遠足の説明用紙。
貴「…!そ、それは!!」
月「渡しといてって頼まれたから預かってたのに、要らないんだぁー」
貴「い、要ります!!」
月「ふぅーん、じゃあ、言うことあるよね~。」
貴「うう…さ、先程は失礼しました。つ、月島君。」
私が素直に謝ると、月島君は満足そうに用紙を渡す。
貴「…どうも。」
月島君が立ち去ってから、山口君がまた謝ってくれた。
(ほんと、山口君は月島君の母親みたいね。)