第2章 イチゴミルク
澤村side
いきなり挑まれた勝負。
ジュースくらい、幾らでも奢ってやるよ。
そう思ってても小さな子供のように笑う彼女に
俺は、
自然と微笑む。
(ほんと、飽きないな。)
相手が全力なら俺も全力で走るのが礼儀だ。
最終的には20メートル位差がついて俺が先にゴールした。
貴「はあ…はあ…ぜぇ…ぜぇ…」
澤「だ、大丈夫か?」
覗き込んだ風間の顔は蒼白だった。
どうみても大丈夫に見えない。
俺は、返事が無いのも気になり、慌てて近くの自動販売機へ走る。
今日ほど自販機が遠く感じたことはない。
水とイチゴミルクを買い、また風間の元へ走る。
澤「風間ー、水買ってきた…ぞ……」
貴「……せ、んぱ…い…」
一言、俺を呼び
膝から
崩れ落ちる
澤「おい!風間!!」
俺はギリギリ風間を抱き止める。
澤「おい!おい!黎!!!」
俺の、せいだ……