第2章 イチゴミルク
黎side
朝から火照る頬。
まるで恋する乙女だね、なんて、私には無縁な台詞が頭をよぎる。
澤「そういえば、風間は何か運動してたの?」
貴「え!…運動は嫌いじゃないですけど、私はサポートの方が合ってるみたいで。」
理由はそれだけではないが、心配をかけたくない。特に色々苦労も多いだろう、部長には尚更。
澤「そうか?お前の真面目さがあれば、どんな競技でもやっていけそうな気がするけどな!」
貴「うわっ!////」
澤村先輩が、何故か私の頭をガシガシ撫でる。
髪の毛がぐしゃぐしゃになりそうなくらい。
でも、なんだか懐かしくて……
(やば、泣きそう)
先輩に泣き顔なんて見せたくないから、
貴「なにするんですかぁ!」
怒ったふりをして、先輩から走って逃げる。
澤「!!ちょ、風間!!」
ビックリして叫ぶ先輩を
もう少し驚かせたくて
振り返って
叫ぶ
貴「先輩!学校まで競争ですよー!負けたらイチゴミルク、奢ってくださいねー!!」
澤「え?!」
まさかの勝負に
呆然とする先輩を置いて
全速力で
朝日の中を
走っていった