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好きだ。-烏達の恋-

第1章 はじまり


澤村side

田中を影山・日向ペアのチームに加え、俺がもう一つのチームに入ることにした。きっとこれが影山と日向の意識を変える一番良い方法だろう。
菅原も田中もそれを感じ取っているからか、特に何も言い返してこなかった。


田「そういえば、明日の朝練は7時からでしたよね!!!」

菅「いつもそうだろう。なんだよ急に…」

田「いや…教頭のズラは無事だったんですかね。」

澤「田中、その話しやめろ!!」

(全く)


田中は恐らく朝練の前にアイツ等と練習するつもりなのだろう。田中が考えそうなことだ。
片付けも終わり部室に入ると変に気が緩み、つい、ため息をつく。


菅「おいおい、大地がため息ついてどおするよ。」

澤「すが…」

菅「あ、田中達は俺がちょいちょい気にするから、大地はいつも通り部長しとけって!」

澤「助かるよ。何か、悪いな」

菅「いいっていいって!」

澤「何か、今度奢るべ」

菅「…いや、それより今日から風間を送ってってやってよ!」

澤「え?」

菅「だってさ、他の奴等は心許ないだろ?清水も大地が誘ったなら大地が送ってった方がいいんじゃないかってさ!」


俺は先に行ってるから!と言って部室を出ていく菅原。その背中を茫然と見送る。少しして俺も慌てて支度をする。
確かに成り行きとはいえ、マネージャーに誘ったのは俺だ。それに1年があんなじゃぁ、心許ないのも本当だ。
でも、

理屈や持論とは別に、

俺の中に湧く

小さくて、それでいて

とてもあたたかい

懐かしいような

不思議な気持ち


(…………)


この気持ちが何なのか

考え無いようにして



俺は部室の明かりを消した。

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