第14章 できることなら
私は振り返らなかった。
いや、振り返ることが出来なかった。
彼の声を聞いただけで涙が溢れた。
今、彼は怒っているの?
それとも…悲しんでくれている?
カ「中で待ってる」
カジキはそういうと、船に乗り込んだ。
時間くれるんだ…最後だもんね。
サ「ルーシェちゃん、行くのか」
「うん…」
サ「……なんでだよ」
「…なんでかな」
サ「ルフィが…俺たちの船長が!ルーシェちゃんを探してる!一緒に旅に出るって…」
「…うん」
サ「ルーシェちゃん、俺は…まだ伝えたいこと伝えれてねーし。俺たち、このままで終わるなんて…」
「ごめんね…」
サ「帰ろう」
「……私、結婚するの…」
サ「嘘だろ?…手紙に書いてたことは嘘なのか?」
「ほんとよ。手紙に書いてたこともほんと」
私は、サンジに気づかれないように涙を流す。