第7章 すれ違い
「いやっ…いやいやっ…やめて…うるさいッ」
耳を塞ぎ、声を遮断するようにする。
カ『耳を塞いでも意味無いぜ?子猫ちゃん。俺はお前の頭の中に直接話しかけてるんだから』
「やめて…お願い……」
涙が止まらず、呼吸も荒くなる。
「ハァッ…ハァ…」
カ『俺が迎えに行くまで、待ってろよ?子猫ちゃん』
ルーシェは苦しさのあまり、ぬいぐるみを投げてしまった。
それと、同時にサンジが部屋に入ってきた。
サ「?!」
「ハァッ…ハァ…!!サ、サンジ…」
サ「ルーシェちゃん、気に入らなかった?それ……余計なもの渡して悪かったな」
サンジは冷たくそういうが、表情はどこが切ない顔をしていた。
「ち、違うのっ!」
サ「いや、悪かった。まぁ、そーだよな。あの2人どっちかと結婚するんだし、邪魔だよな」
サンジは、部屋から出ていってしまった。
サ(違う、そんなことが言いたかったわけじゃない。ルーシェちゃんにだってなにか理由があったはずだ。なのに、なんでこんなにイライラしちまってんだよ、俺…)
ルーシェは、急いでぬいぐるみを取りに行ってポンポンとほろう。
「ごめんね…サンちゃん……ごめんなさい…サンジ…」
(嫌な思いをさせてしまった。誤解させてしまった。私は最低だ…明日、2人のところへ行って断ってこよう)
ルーシェは、息を殺して泣きながら眠った。
ぬいぐるみを抱きしめたまま。