第6章 2人の王子
ナ「サンジくん、帰ったわよ~」
サ「ンナミさぁぁぁん!!!待ってたよ~〜~!!!」
サンジは、ダイニングから飛び出してきてナミの周りをくるくるしている。
「サンジ、ただいま……」
私もいるのになぁ…
って、なに!変なの!気にしないようにしよ…
サ「あ、ルーシェちゃんもおかえり」
……“も”、か……
なんか、ナミの付属品みたい……はぁ…
「うん、ただいま」
なんか、うまく笑えなくて愛想笑いみたくなってしまった。
その気まずさにいてもたってもいられなく、
ルフィの隣に行くことにした。
ル「どーした?」
不思議そうにみてくるルフィ。
「ううんっ!」
そういうと、ポンポンと撫でてくれる。
その手がなんだか、落ち着いた。
サ「客か??…王子?」
ユ「ええ、申し遅れました。ユエとお申します…敬語とか嫌いなので、タメ語で大丈夫です」
ユエさんは、ニコッと笑顔を見せる。
その笑顔は、きっと何人もの女の人を惚れされる効果があるのではないかって…思った。
けど、私の頭はサンジでいっぱいだった。
サンジって、ナミのこと好きなのかな……。
サ「わかった、俺はサンジだ。よろしく」
ユ「ええ、よろしくお願いします…そして、ルーシェの婚約者です」
一同「「「えええええええええ?!」」」
ユエさんの婚約者ルーシェっていうんだ…
私と同じ名前……って、、
「わ、私?!」
ユ「ええ、そうですよ」
そういって、私の腕を引っ張り抱き寄せるユエさん。
「きききき、聞いてないですよ〜!!!」
ユ「ええ、言っていませんからね」
ニコニコと、笑っているユエさん。
いやいや、笑い事じゃないです…!!
ゾ「…ちびのどこがいいんだよ、」
そうそのとおり!でも、傷ついた…
ユ「そうですね…可愛らしいところです。そして、真っ直ぐなところ……なので、後日お茶にでも誘おうと思ったのですが…今日、お話をしてもっと知っておこうかと…」
ユエさんの言葉に、ドキドキしてしまったなんて…
クロスさんにも、ドキドキしたのに…
私って最低な女なのかもしれない。
ナ「じゃあ、今日はみんなでご飯にしましょう?」
ル「それもいいな!宴か!」
ゾ「んな、簡単なことじゃねーよ」
サ「……」
サンジは、無言でキッチンに入ってしまった。