第1章 虹村家の娘 1
足の付け根や太ももに形兆の指が這う。
「おい、腰揺らしてんじゃあねぇぞ…」
唇が離され、指摘されてやっと自分でも気づかないうちに腰が揺れていたのを知った。
「あっ…ち、ちが…!」
「そんなに弄って欲しかったのか」
そう言って形兆は熱い吐息を吐き、私の中に指を挿し入れた。
「ふ、あぁああッ…!!!」
途端、電流のようなしびれる快感が体を貫いた。
「なんだ、もうこんなに濡れてんじゃあねぇか」
そのまま指を出し入れされ、もはや形兆にされるがままのようになってしまう。
2度目のキスを受け入れ、じわじわと何かよく分からない感情が心を満たしていく。
と、指が抜かれ少ししてから唇が離されたかと思うと、熱い塊が押し当てられた。
指とは比べものにならない大きさ。
それが、私の中に入れられようとしている。
「ちとお前には大きすぎるかもしれんなぁっ…!」
楽しくてたまらないというような笑みを浮かべ、形兆はズン、と私の中へ深く腰を入れた。
「…っう…!!??ああああぁぁぁあぁッ!!」
肉壁を裂くようにして奥を突かれる。
「うっ…!…はぁっ、いい具合だな…」
じゅぷ、といういやらしい音が鼓膜をも犯していく。
「あっ!あ、はぁっ!んぐっ…!ん、んん…!」
形兆はまるで獣のように激しく腰を打ち付け、気持ちよさそうに目を細めている。
その表情に、胸がときめいてなぜか嬉しく思ってしまう。
「っ…!おいっ…急に締めんじゃあねぇっ…!」
「そんなことっ…ふ、あぁっ…!い、言われてもっ…!んんぁっ!形兆、の、気持ちいいからぁっ…!!」
クソッ、という声がして、形兆の顔が近づいてきたかと思うと、首筋に鈍い痛みが走った。
「はぁッ…てめーの兄貴煽ってんじゃねぇぞっ…!!」
苦しそうに言って、また深く息を吐く。
それでも腰を動かすのはやめない。
「あああぁあっ・!あぁっ、奥むりいっ、形兆っ、けいちょ、けいちょおっ…!んんんうぅ…!!っあああぁあっ…!!!」
気付けば私は形兆の首に腕を回し、理性を無くしてよがっていた。
体の中から湧き上がる快感は奥を突かれるたびに後から後から押し寄せてくる。
そして、頭の中が真っ白になり、快楽が完全に体を支配した。
体中の力が溶けるようにして抜けていく。
そんな私のことを形兆は、愛おしそうな眼差しで見つめていた。