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一番の御姫様(詰め)

第5章 雲雀 恭弥(リボーン)


「おわっ、萌ちゃんの方に行ったよ~!」

「は、はい! 解りました!」

もう少し、あと少し、ほんの少しだけで良いから僕に本当の君を見せて欲しいと思った。

こんなにも楽しそうに萌が遊んでいる時に思うなんて、馬鹿らしいけれど。

「わっ!」

転びそうになる萌の身体を受け止めて、立ち上げさせる。

「大丈夫?」

「す、すみません、大丈夫です」

微笑む姿が何故だか今は見たく無かった。

とてつも無く胸が締め付けられて気持ちが悪い。

自分自身でも解らないんだ、こんな変な気持ちが溢れて止まらない。

「……嫌だ」

「ごめんね、萌…やっぱり嫌だよ」

「また戻ってくる、少しの間だけ…借りてくよ」

「え? ちょ、ヒバリさん?」

止める声に耳を傾ける事も無く、草食動物の居る海岸から離れて行った。





「あの……」

気まずそうに声を掛けてくる萌を続きが言えなくなる様に優しく後から抱き締める。

「ねぇ…萌は僕の事が好きだよね…? それとも…僕の事は好きじゃ無いの…? どっち?」

「勿論、恭弥サンの事は好きですよ…? だから私は…恭弥サンと御付き合いをしていますし……」

顔を此方に向けようとするから抱き締める力を強めて問い掛ける。
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