第5章 雲雀 恭弥(リボーン)
「じゃあさ…何で僕に親しく接してくれないの? 僕、凄く悲しいんだよ?」
声のトーンを態とらしく低めて囁く。
僕を怒らしたと勘違いしたのか、肩を微かに震わせて小さな声で呟いた。
「ちが……います」
「私、は…恭弥サンの事が好きだから、…だから緊張しちゃうんです…」
「御気を…悪くさせてしまって…ごめんなさい……」
涙ぐむ萌を僕の方に向かせ、優しく頭を撫でる。
「怒った訳じゃ無いんだよ? ただ気になったから……」
「それに…理由を知れて良かったし……」
照れくさくなって萌から顔を背けて発した言葉を嬉しそうに笑う姿が先程よりも愛しく感じた。
「早く戻るよ、結構な距離歩いたし」
「はい、仲良くして下さいよ」
「解ってる…特別だからね」
あぁ…、やっぱり萌は僕だけの前で可愛く微笑んで。
じゃないと他の男に嫉妬しちゃって駄目だからさ。
それ位、気付いてよね。
~EИD~