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一番の御姫様(詰め)

第5章 雲雀 恭弥(リボーン)


態とらしく問い掛ける僕をしかめっ面で先程よりも手の力を強める。

どんな顔をしても可愛いんだけどね。

「もっ、えっと、もう少しで海に着きますよっ」

話の路線を大幅に変更し、僕の顔から手を離す。

「ふふ…、萌は可愛いよね」

「う…また恭弥サンはそんな事を言うんですから…」

苦笑しながらも窓に手を付いて一瞬で変わっていく外の綺麗な景色に見とれていた。





「わぁ…! 到着しましたね…!」

瞳を輝かせながらザクザクと白色の砂を踏み歩いて行く萌が僕の方に大きく手を振る。

こんなところは子供っぽいんだね。

「はいはい、今行くよ」

口元を緩ませながら歩み寄る。

敷物を敷きながら貝殻を漁っている姿がとても愛らしくて堪らない。

「恭弥サン、早く海に入りたいです…!」

「うん、じゃあそろそろ着替えて行こうか」





「で、何で君達が居る訳?」

凄い形相で相手を睨み付ける僕を宥めながら、優しく丁寧に問い掛けた。

「綱吉サン達も海に遊びに来たんですか?」

「うっ、うん、この頃暑かったからね」

引きつった笑みに苛立ちを覚え、水着に着替えて居る萌の腕を強引に引っ張りながら海に入って行く。

「えっ? 恭弥サン? どうされましたか?」
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