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一番の御姫様(詰め)

第3章 獄寺 隼人(リボーン)


「ほら、萌…コレで良いんじゃねぇか?」

態とらしく距離を縮めて見せ付ける。

「隼人?」

不思議そうに上目使いで見詰めてくる来る萌に耳打ちする。

「ほら、とっとと行くぞ」

小さく縦に頷くと金を若い男にて手渡す。

が、その男は…またニタニタとしながら萌の手を握って金を戻した。

「へ?」

「どうしてですか?」

躊躇いながらも優しく微笑む萌を見ていると変な気分になる。

どうして……

俺がこんな…

「さっさと行くぞ!」

男の手を振りほどき、強引に萌の腕を引いて歩き出す。

苛つく…、何だよ本当に……

俺だけかよ……

「痛……っ…」

微かな声を上げて不安げに顔を見上げる。

「隼人…?」

「どうして怒ってるの…?」

「……ごめんな」

素直になれなくて。

どうしても…自分の思った事が言えなくなる。

ちゃんと言えたら楽なのにな…

あの野球バカに成れたら何れだけ嬉しいか…

「…ねぇ、隼人…此方来てきて!」

たどたどしい足取りで神社の裏へと歩いて行く。

人っ子一人も居なくなった処で晴れた綺麗な夜空に大きな花火が舞い上がった。

「此処ね、花火の絶景スポットなんだよ~!」
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