第3章 獄寺 隼人(リボーン)
そう思い、わざと破り金魚を貰う。
その貰った金魚は萌にくれてやった。
「金魚が沢山だね~!」
金魚ごときで喜ぶ事かよ…
「あ~、はいはい」
「早く次の屋台に廻るぞ」
徐に手を引いて歩き出させる。
笑顔で歩く萌は、こうして見ると…やはり俺が選んだ女だけに有って綺麗だ。
まぁ、人の好みだと思うが…笹川やアホ女よりも俺は萌の方が良いと思う。
だから…人混みが激しい時は何時も以上に不安に成ってくるんだよな…
「ん? 隼人?」
「私に何か付いてるの~?」
「いや、何も付いてねぇ」
そこら辺の男共が萌の事を舐め回す様な目で見てくるからだよ。
本人は気付いて無さそうだが…、気付いて無い方が何よりも危ない。
何時…襲われても抵抗出来ねぇだろ…、この御人好しは。
だから俺が隣に居てやらねぇとな。
「隼人~!」
「アレ! 姫リンゴ食べたい!」
「お前、本当に姫リンゴ好きだな」
「うん! 美味しいもん!」
何れにしようかな~、何て目を輝かせて姫リンゴを選ぶ萌が微笑ましい。
その光景を見てか、屋台の若い男がニタニタと萌の事を眺めている。
気分悪ぃな……