第8章 8
今まで必死に忘れようとしていた
思い出が残っていれば、後悔することはわかっていたから
昔は訓練兵時代の仲間がいたし、同期も沢山いた
だが、今では調査兵になった仲間はほぼいなくなった
ノアも一年前のリヴァイと同じようにエルヴィンに言われたことが幾度とある
“後悔は後に自分を殺す”
本音としては自分が死ぬだけなら問題はない
すでに心臓を捧げた身だ
どこで果てようとも悔いはない
だが、自分の選択により、部下が危険に晒されることはあってはならない
これからの未来を担う若者たちだ
私の選択で希望を絶望に変えることなどあっていいはずがない
「………お前は一人で抱えすぎだ」
「……」
「もっと人に甘えろ、頼れ」
そう言うリヴァイは表情は動かないものの何処か泣いてしまいそうな気がした