第8章 8
「いつもここにいるのか?」
コツコツと近づいてくるノアを一度見るとまた空を見上げるリヴァイ
あぁ
素っ気なく返した返事に我ながら愛想がないと思う
よいしょと言いながら少し高めの縁に登ってくるノア
ほら、とノアの手を掴み引っ張りあげる
「ありがとう」
片足は立て、もう片足は外に放り出すノアの横姿は抱きしめたくなった
リヴァイはふいっと視線を外し、暗く何もないところを見る
お互い何を話すでもなく、ただただ景色を眺めているだけ
沈黙が続くが、嫌じゃない
むしろ心地よいくらいだ
「…なあ」
「なんだ?」
「お前、結婚すんのか?」
ずっと気になっていたこと
自分には関係ないと思いながらも頭から離れることはなかった
「……今日はその話題ばかりだな」
「あ?」
「いや、なんでもない」