第7章 7
ノアはエルヴィンをチラッと見るとすぐに書類に視線を戻し
「いや、特に……」
なにもしていないが
そう言おうとしたが、ふと頭に浮かんだ
「これのせいか?」
先ほど少年に欲しいとせがまれ、服の中にしまったチェーンを引き出す
「……なるほどな」
「あぁ、そういうことか」
「………」
チェーンの先についている指輪を見た三人はそれぞれ納得したようで
なんだか悪いことをしたような気分になった
「………悪かったな」
「いや、新兵が勘違いするのも仕方がないさ」
「そうそう!ノアは悪くないよ!」
「………」
ミケも言葉にはしないものの、優しい表情で頷いてくれた
ありがとう、そう言って書類を持てるだけ持ち、エルヴィンの部屋をあとにした