第7章 7
ノアがのんびりと穏やかな時間を過ごしていたころ
エルヴィンの部屋ではハンジが唸りながら部屋中を歩き回っていた
「うー、」
「そんなことをしていてもノアが早く帰ってくることはないぞ」
優雅に紅茶を飲んでいるエルヴィンは苦笑いをしてハンジを見ていた
「仕方ないだろ!気になるんだ!」
「わからなくはないが」
紅茶をすすっているエルヴィンの目の前にはミケも座っている
ミケはハンジのように騒ぎ立てることはないが気になってはいるのだろう
先ほどからチラチラと何度も時計を確認している
「まだ帰ってこないよ!遅くないか!?」
うろうろと部屋中を歩き回っていたハンジが窓の縁をバンッと叩いた
その窓から見える空はまだ夕日が落ち始めたところで
木々が少し橙に照らされる程度だった