第7章 7
配置は昔と変わらないものの、置いているものが大分最近の流行りのものになっている
その中の一つから、どうしても目が離せなくなった
「フクジュソウ?」
「それ、こないだ入荷したばかりでな、根は薬草になるけど、毒が強いやつらしい」
そう言って戻ってきたおじちゃんの手には来るたびにお願いする向日葵の花束
「最近は育てる人が増えてるみたいだけど、ノアちゃんも買うかい?」
花束の仕上げにリボンを巻きつけているおじちゃん
ノアは福寿草の花をジッと見つめていた
黄色い小さめの花弁がいくつも咲いているそれは、何故かノアの気を留めるものがあった
「…また今度にします」
申し訳なさそうに言うノアはなぜか今買わない方がいいような気がした
手際よく花束を作り、華やかに出来上がったそれを受け取りお店をあとにした
またきてくれよ!
そう言ってくれるおじちゃんに笑顔で会釈をして