第7章 7
兵舎内でハンジが騒ぎ立てていたころ
ノアはエルヴィンの言う通り、街を歩いていた
数少ない私服を着て、久しぶりの街並みを眺めている
「お嬢ちゃん、この野菜買わねえか?」
「そんなものより、こっちのペンダントはどうだい?」
「いやいや!お嬢さんにはこの華やかな洋服が似合うよ!」
お店の前を通るたびかけられる声に苦笑いをしながら過ぎていく
こんな活気のある街に来たのはかなり久しぶりで、数年こないだけでこんなにも変わるのかと驚いた
しばらく散歩していると目的の花屋が見つかる
「いらっしゃい
お、久しぶりだね」
「ご無沙汰してます」
少し小太りのおじちゃんがやっているこの花屋は何年も前からノアの行きつけ
昔と変わらない店内に懐かしさを感じる
「ノアちゃん、いつものかい?」
「えぇ、お願いします」
ちょっと待っててな
そう言って店の奥の方へと行ったおじちゃんを横目に店内をふらっと見て回る