第7章 7
「それで、エルヴィンは知ってるのかと思って急いできたってわけさ!」
「……なるほどな」
さきほどまでの経緯を興奮状態のまま話すハンジ
エルヴィンは変わらず書類にペンを滑らせている
「ハンジ、なぜそういう噂がたったのかな?」
「…それは聞いてなかったよ、結婚って言葉に驚いてな
それより、ノアを今日は見ていないぞ?」
「今日は休みだ
ノアには息抜きが必要だからな、街に行ったんじゃないか?」
「そうか…」
そう言ったきり黙ったハンジ
ずっと書類に目を通しているエルヴィン
外は訓練をしている兵士たちがわいわいと騒いでいるのに
この部屋だけは静かに異様な空気を纏っていた