第7章 7
一瞬触れるだけのキス
少し速くなる鼓動に気づかないふりをする
「……リアクションしねぇのかよ」
「いや、驚いているさ」
「の割には普通じゃねぇか」
平静を装うのに精一杯だよ
そう言ってやりたいものだ
「…紅茶の味がする」
ノアの少しの強がりだった
「…紅茶飲めねぇんだったな」
「ん?あぁ、そうだったな」
「…そうだったなって、てめぇのことだろ」
「あぁ、驚きすぎて忘れていた」
「うそくせぇ」
ついさっき突然キスをしたとは思えないほど通常運転の二人
ノアはコーヒーを一口飲むと窓の外へと視線を移す
「…なにか見えるのか?」
そう問いかけるリヴァイの目は真剣だった
ノアは一瞬リヴァイの方を向き、また視線を戻す
「…なにも見えないよ」
「…そうか」
リヴァイはノアに背を向け
遅くまで起きてんじゃねぇぞ
一言投げかけると部屋から出て行った