• テキストサイズ

【進撃の巨人】後悔しないため

第6章 6





下っ端のアンナでさえ忙しかったのだから、幹部ともなると息をつく暇さえないのだろう


「団長も分隊長も来てないよ、食事が遅くなると体に良くないからね…」


本当に心配だよ、ため息を吐いてスープの鍋を弄っている料理人さん

この広い食堂で一人というのも暇で仕方ないのだろう


「ごちそうさまでした、もし会ったら言っておきますね」


幹部組は部屋にこもっているだろうけど、そう思いながらも料理人さんに告げ、食堂を出る

大部屋に戻ると明らかに減った人数に気持ちが重くなる

荷物はそのままで、ついさっきまでそこにいたかのようで

ベッドに潜り込み、眠ろうとするが、なぜかこういう時だけ思い出がどんどん出てくる

あの子とはあんなことしたな、あの子はこんなこと言ってたな

はっきりと思い出せる


「…ごめんなさい」


私のせいで巨人に食われた人は何人いただろうか

分隊長、ベテラン兵士、同期

多くの人が巨人の胃袋へと落ちていった

だが、不思議と涙が出てこない

どこか心の奥底で自分じゃなくて良かったとも思っている


「…最低じゃん」


暗い、シンとした部屋にいるとどんどん気持ちが沈んでいく

今日は眠れそうにない


/ 201ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp