第6章 6
「ノアさん、私が初めて壁外調査に行った日のこと、覚えていますか?」
「……あぁ、3m級に食われそうになった時か?」
「……そういう覚え方なんですね…」
「それがどうした」
「ノアさんに聞きたい事があって」
そう言うアンナは真剣な表情
そういえばあの日以来アンナがよく付いて回るようになった
それまでは少し距離を置いているように感じていたが
「あの時のスープって、ノアさんの手づくりですか?」
「…さあな」
ノアがそう言うことは予測していたのか、アンナはふわりと笑い
「ありがとうございました」
感謝の意を伝える
自分が作ったなどとは一言も言っていないのに礼を言うアンナの頭をくしゃくしゃと撫で、立体機動で林の中へと飛んでいった
「…ノアさん、あなたのことは必ず、守りますから」
そう呟くアンナの瞳にはノアについて行くと決めた日の続きが映っていた