第6章 6
なんとか一体を倒した、そう思った瞬間アンナの体が浮き上がった
「…え?」
安心した束の間、もう一体の巨人にアンナの体は掴み上げられていた
「っ、クソが!」
そう言って飛び上がる分隊長、だが、アンナの体は巨人の口のもう目の前
「…っ」
もう終わりだ
目をぎゅっと瞑り痛みが来るのを待った
だが、予想していたものとは違う痛みが体に走る
ドスンと地面に落ちた音、全身の痛みに目を開くとアンナを握っていた巨人の手が蒸気を上げている
ハッとして上を向くと太陽を背に巨人の頸にブレードを差し込んでいるノア
そして、巨人の口の中からは下半身だけが出ている
「…え」
「アンナ逃げるよ、馬に乗って」
そう言って素早く馬に乗り、残った兵士たちに指示を出しているノア
だが、そこには分隊長の姿がない
まさか…
そう思った時には既に遅く、振り返っても蒸気が漂うだけだった