第6章 6
「…分隊長、きました」
こんな状況でも落ち着いた声のノア
「…10m級1体、3m級2体、奇行種1体ですね」
「壊滅状態で3体も倒したのか…
たいしたもんだ、ギリギリまで馬を走らせる!」
手綱を引き、速度を上げる
それでも、巨人との距離が離れることはない
「…チッ、やるしかねぇか
ノアとルークは10m級をやれ!それ以外は3m級だ!」
一斉に馬から飛び降りる兵士たち
アンナも震える手でトリガーを引き、空へと飛び上がる
小さめの3m級とは言えど、自分より倍は大きい巨人
「…ひっ」
先輩兵士が腱と片腕を切った
「アンナ!とどめだ!」
そう言われスピードをつけ頸に狙いを定めるものの、上手く切り落せない
「チッ、分隊長!」
ザクッ
切り落とした音と血しぶきが上がる
ドスンと上半身が倒れた巨人は蒸気を上げている