第6章 6
翌日
雲ひとつない晴々とした青空
良すぎる晴天にどこか嫌な感覚さえするほどだった
昨夜のことをノアに聞くことなく再開された調査
アンナは生きて帰ることだけに集中した
「…嫌に天気がいいな」
そう呟く分隊長に「…はい」ノアが一言返すだけだった
しばらくは何事もなく前に進む
巨人さえいなければただの広大な土地
空気が澄んでいて、やはり壁の中とは全く違う
多大な爽快感を感じながらも刻々と恐怖の時間は迫っていた
「伝達です!」
ノアたちよりも右側を走っていた兵士が近寄ってくる
その顔は絶望に染まっており、かなり衝撃的な光景を見てしまったのだろう
「10m級2体、3m級4体、奇行種1体により壊滅的です!」
報告を聞いてゾッとした
なぜ一度にそれほど多くの巨人が集まるのか
そして、壊滅的ということはもう少しでこちらにも迫ってくるだろう
「…覚悟しとけよ、新兵だろうと戦うことになる」
真っ直ぐ前を見てそう呟く分隊長
兵士の顔は強張り、アンナの心臓はバクバクと鳴り響いていた