第5章 5
「あ、アンナ」
「なんでしょう?」
「次回の壁外調査だが…」
ノアの一言に一瞬で雰囲気を変えたアンナ
さっきの妹のような可愛らしさはなく、一兵士としての表情になる
こういうメリハリがしっかりしている子だから強くなり、信頼できるのだろう、ノアは強く思った
「キミはリヴァイと一緒に荷馬車護衛にあたってもらう」
「…あの地下街出身の…ですか?」
「あぁ、そうだ
近いうちにエルヴィンからも説明があるだろう」
「…分隊長から離れるということですね?」
「そうなるな」
人数もそれほど多くはなく、それぞれの班の優秀な兵士を置くことを説明したノア
アンナは少し難しそうな表情を浮かべ
……わかりました、一言返事をした
今回の壁外調査はリヴァイを誰かの下で動かすのではなく、自由に動かしてみるというのがある
エルヴィンの判断だが、彼には独自の班で自由にやらせるのがいいのではという考えだ
そこで、それについて行けそうな、討伐も人格的にも優秀な兵士を配置することにした
「じゃあ頼んだぞ」
「は!」
綺麗な敬礼をするアンナ
そんなアンナの頭を撫でる
絶対に死ぬなよ
そんな思いを込めて