第5章 5
リヴァイを追い出してから下着や着替えを出し、風呂に行く準備をしていた
昨日はミケがいなくなったところまでは覚えている
だがなぜリヴァイが談話室に来たのかがわからない
コツコツと幹部棟を歩き、浴場を目指す
「ノアさん!」
目の前からパタパタと嬉しそうに近寄ってきたアンナ
この子は妹のようで、ノアがとても可愛がっている
「アンナ、どうかしたか?」
「あのですね、これを…」
そう言って差し出したのはかなり小さめの巾着のような袋
そこからはほんのりと上品に花の香りがする
「これは?」
「香り袋と言います!珍しい香料が手に入ったので、ほんのりと香るように少量で作りました!」
「そうか…」
「あ、苦手な匂いでしたか…?すみません、捨ててもらっても構わないので」
「いや、こういうのを作れることに感心していた
いい香りだ、ありがとう」
少し落ち込んだような表情をしていたアンナがぱあっと笑顔になった
よしよしと頭を撫で微笑みを浮かべる
そんなノアを見たアンナは少し頬が上気している