第5章 5
リヴァイがエルヴィンに従うと決めてからもう少しで一年が経つ
それでも、この仮面からは本心を抜きとることはできない
「……何を企んでいやがる?」
「何も企んでなどいない」
「その面で言うか」
ふん、と窓のほうを向いてしまったリヴァイ
そこには二羽の鳥が優雅に空を飛んでいる
ふっとエルヴィンは笑い憂いを帯びた表情で
『ノアを救ってやってくれ』
自分でも聞き取れないくらい小さな声で呟く
「…あ?なんつった?」
「………なんでもない」
わざわざ自分が言わなくても、ハンジやミケが促すだろう
そして、リヴァイ、お前が自ら動き出すだろう
少しの悲しみと少しの期待、それぞれが混ざり合いエルヴィンの心に渦巻くのだった