第5章 5
「…なにをしている」
眠っていると思っていたリヴァイが目を閉じたままノアに問いかける
「……起きていたのか」
「あぁ、お前が起きたあたりからな」
リヴァイは閉じていた目を開き、ノアのことをじっと見る
そんなの最初からじゃないか
そう悪態をつきたかったが我慢した
冷たい三白眼に捕らえられれば逃げることはできない
「なぜここにいたんだ?」
「あ?てめぇがいくなっつったんだろうが」
「そうか……、ありがとな」
ノアは優しく微笑んだ
「……あぁ」
リヴァイはノアから目を離しどことなく視線を漂わせる
他の奴に微笑む姿は見たことがあったが、それがリヴァイに向かってされるのは初めてだった
ただでさえ整っているノアの顔で微笑む姿が目の前にあるとじっと見ていられない
「さて、私は風呂に行こうと思うが…、リヴァイ、キミは部屋に戻るのか?」
「チッ、あぁ」
「……部屋が居心地悪いのはわかるが、我慢するんだな」
「…わかってる」
ノアはリヴァイが極度の潔癖症だということは知っている
だからこそ、大部屋での生活が大変だということもわかるのだろう
…そのうち、不満が爆発するようなことがなければ良いが