第5章 5
窓から爽やかな日差しが入り込み浮遊していた意識を引き起こす
頭は起きたが昨夜の悪酒のせいか鉛のように体が重い
はあー、深く長いため息をはきながら上半身を起こすノア
覚醒しない頭と体だが、いつもと違うことはすぐにわかった
「…リヴァイ?」
人の気配を感じ横を見ると椅子に座りながら目を閉じているリヴァイがいる
いつもは目つきの悪い三白眼も今は閉じられていて少し幼く見える
なぜ、リヴァイがここにいるか記憶を溯ろうとするが談話室のあとの記憶が一切ない
今更ながらなぜ自分が部屋の布団で寝ていたのかすらわからない
「運んでくれたのか…」
わざわざ椅子を置いてまで側にいてくれたリヴァイにノアはふわりと笑う
癖なのか腕を組み足も組みながら眠っているリヴァイ
痛くないのかな…?などと思ってしまう
布団から出てリヴァイの側に立ちノアと同じ黒髪に手を伸ばす
サラサラと指をすり抜ける髪に心地よさを感じた