第4章 4
「……劇的な死を遂げるためだ」
その気迫にミケはゴクリと生唾を飲んだ
「……」
「冗談だ」
「…はっ、お前も冗談が下手だな」
「キミには負けるよ」
少し張り詰めた空気はノアのふっという笑い声で緩まった
そのあと少し飲んでいるとミケが部下に呼ばれていなくなった
誰もいない談話室に一人
喋る相手もいないからシンとし、先ほどまでの会話が脳裏によぎる
私が調査兵にした理由
グラスの中の溶けた氷がカランと音を立てる
昔は若かった
たった何年か前だが、その何年かで考えは大きく変わる
昔の自分は軽率で浅はかだった
憂いを帯びるノアの目がトロンと、思考まで遮った