第4章 4
周りはギャイギャイと賑やかなのにここの席は静かで少し異質な空気があった
「ミケは…、後悔してることってあるか?」
「あぁ、お前を手中に収められなかったことだ」
「………」
「冗談だ」
「ミケは冗談が下手だな」
ミケが本気で言ったのか冗談でいったのか本当のところはわからない
ただ、ミケがこんなことを言うのは珍しいということだ
それからしばらく談笑し、ハンジがおもむろに起きたので帰ってハンジを部屋に置いてから飲み直すことにした
兵舎につくとモブリットが慌ててノアとミケに近寄ったかと思うと、ご迷惑をおかけしましたと言ってハンジを連れて行った
しっかりしている部下をもって、ハンジは幸せ者だなと思った
もちろん、ノアもミケも部下には恵まれている
二人は談話室に行き、また酒を飲み始めた
酒場とは違いシンとした空間は言葉を一言も逃すことはないだろう
「お前は、後悔してるかと聞いたが、俺もお前に質問がある」
「……」
「お前はなぜ調査兵を選んだ」
ノアの青みがかったグレーの大きな目に似合わない鋭い瞳がミケをとらえる