第4章 4
エルヴィンとノアの二人だけになったこの部屋は少し重たい空気が流れる
居心地の悪いこの部屋から逃げるように、ノアは多めに書類を持って席を立った
日は沈みかけ、真っ赤な光が窓から差し込む
「…後悔は後にお前を殺す」
「あぁ、…わかっている」
コツコツといつもより少し速い歩きで自分の部屋へと戻るノア
その特徴的なノアの瞳からは光が消えていた
自室の扉を開けばいつもの景色に安堵を覚え
閉じた扉を背にずるずると座り込む
わかっている
後悔など、全く役に立たない
リヴァイだって仲間との思い出や後悔はあの場所に置いてきている
私もそうしなければならない
わかっている
頭では理解している
けれども、思い出すのはあの光景
あの時こうしてれば、私がああしなければ
そんな考えに押しつぶされそうになる
「……くそ」