第4章 4
ノアはというと自分のコーヒーを置きエルヴィンの机から書類を抜き出し椅子に座って作業を始めた
部屋に来るたびに仕事を減らすノアにエルヴィンは苦笑い
「助かってはいるが、無茶はするな」
「…あぁ」
ノアは書類から目を外さないままエルヴィンの話しを聞いてるのか聞いていないのか
そんなノアのコーヒーに目を向けたエルヴィンは何か言いたげだ
「エルヴィン」
「…いや、なんでもない」
「…そうか」
一瞬ピンと張り詰めた糸があるかのような緊張感が漂う
リヴァイはその光景を訝しそうに眺めているだけだった
そのあとすぐに再開した陣形の説明
ノアはそれを薄っすらと聴きながら書類をどんどん処理していく
「…ということだ」
「…なら俺は荷馬車の護衛をすればいいんだな?」
「あぁ、そういうことだ。ノア」
「…なんだ?」
「お前の隊から優秀な兵士をこの護衛班に置きたい」
「…アンナだな、話は通しておく」
「あぁ、助かるよ」
リヴァイは陣形の理解をしたのか、エルヴィンの部屋を出て行った