第4章 4
あれから一年も経たないころ、正式にエルヴィンが団長になった
団長が生きて交代するのは初めてのことで、キースは訓練兵の教官となった
コツコツと幹部棟を歩くノア
こういう時によくイザベルに話しかけられたな、と記憶が蘇る
コンコン、扉をノックすれば中からどうぞと聞き慣れた声
「エルヴィン、次回の壁外…」
分隊長の時よりも少し広くなった部屋にエルヴィンの荷物はそれほど多くない
それよりもノアが驚いたのは
「…リヴァイ、なぜここに」
ソファに悠々と座っているリヴァイに驚きを隠せていない
「彼に長距離索敵陣形を詳しく説明しているんだ」
リヴァイの正面に座っているエルヴィンは大きめの紙に陣形を書いている
真剣な二人を見たノアは一旦エルヴィンの部屋を出てお茶を淹れて戻った
「相変わらずノアの淹れた紅茶はうまいな」
二人は一旦休憩だと言ってノアの淹れた紅茶を飲んでいる