第3章 3
兵士たちが合流したころには雨は止み、黒い雲も姿を消していた
できる限りの遺体を回収し、せわしなく動く兵士たちの中に一人だけいつまでも動けない人がいる
「生存者はお前だけか」
立ち尽くすリヴァイの前に立つエルヴィン
ノアはその様子を少し離れたところで静かに見ていた
生存者がリヴァイだけということはフラゴンも喰われたのか…
「無様だな」
エルヴィンの挑発じみた一言にグッと睨みを効かせたリヴァイはエルヴィンに向かって剣を抜く
「テメェを殺す…そのためにここにいる!」
これまでに見たことがないほどの殺気に満ち溢れたリヴァイは血走った目でエルヴィンを睨み剣を振る
エルヴィンはそれを片手で受け止め、懐から何かを取り出した
「ロブォフの不正の証拠書類、そのダミーだ
本物は今ごろ、ダリス・ザックレー総統に届けられているだろう
…ロブォフは終わりだ」
「テメェ、全部わかってたのか
お前を狙っているとわかっていて俺たちを!」
エルヴィンに襲いかかろうとするリヴァイを近くにいたミケが抑えた
リヴァイの顔には涙か雨かわからない跡が沢山ついている