第12章 12
街中、住宅街、川辺
あらゆるところを探した
さすがにそう遠いところまでは行ってないと思うが
思いつく限りのところを探しても見つからない
「ほんと、どこにいるんだ
ミケ、匂いは?」
「全く、ここはいろんな匂いが混ざってる不愉快だ」
眉間に寄るシワにそこまで変な匂いがするか疑問に思ったが、そんなことわかるわけがない
ミケの鼻は特殊なのだ
探すためにまた歩き出そうとすると、どんっと軽い衝撃が当たった
「っ、ご、ごめんなさい」
すぐに謝ってきたその女性はとても急いでいたようで、少し焦っている
「いや、こちらこそ道の真ん中で申し訳ない」
お気をつけて、そう一言かけ、踵を返した
「…!
そのエンブレム調査兵団ですか!?」
「え?あぁ、そうだが」
つい先ほどまで焦りをあらわにしていた表情は緊張が溶けたかのように崩れた