第12章 12
ミケと私は外出許可をもらい、街へと繰り出した
私たちだけで探し回っても見つかるはずもなく、多くの人に聞き込みをしながらノアらしき姿を探した
1時間2時間と時間は経っていき、それとともに焦っていく自分を抑えられない
「っ、くそっどこにいるんだ」
「ハンジ、落ち着け」
「落ち着いていられるか!
ノアが出て行ってから時間がたってるんだぞ!
それに…っ」
ノアは初めて出会った時、刃物など似合わない可愛らしい少女だった
そんな子が訓練兵になり、さらには調査兵でも躊躇なく入団した
それほど近くにいたかった相手
いなければ生きていけないような相手
「もう、ノアの中では帰る場所なんかないんだよ」
カイルがいたから
カイルのために
そう生きてきたノアから一番大事なものがなくなる
それは、ノアが生きていけなくなることなのではないか
そう思ってしまった