第12章 12
巨人に喰われたカイルは見るも無残な姿で
壁内に持ち帰ることができないほどだったそうだ
聞き回りを終えノアの側にいようと探したのだが
兵舎の中にはどこにもいなかった
見てない場所はないか、すれ違っていたのか、あらゆる可能性を考え何度も敷地内を探し回った
それでも見つからない姿に焦るばかりで
その時はまだ下っ端だったミケに相談し、一緒に探すことにした
手掛かりがつかめたのは、同室の子に話しを聞いた時だった
誰も動かないこの部屋で突然ゆったりと立ち上がり、出て行くノアにどこにいくのか尋ねるとちょっと買い物と答えたらしい
なぜそこで止めなかったのかと思ったが、その子も仲の良い友人を亡くしたらしくそこまで気が回らなかったのだろう