第2章 2
コツコツと音を立てながら、自分の部屋に戻るために幹部棟を歩いていると
ノアよりもほんの少し背の高い、三白眼が特徴的なリヴァイがいた
「こんなところで何をしているんだ、私に用事かな?」
「……」
「茶でも飲むか?」
「……あぁ」
特に用事があるわけでもなさそうなリヴァイを部屋へと呼ぶ
適当にソファに座らせ、紅茶とコーヒーを淹れた
「キミは紅茶が好きらしいな」
「…なぜ知っている」
「イザベルが言っていたんだ」
あまり使われていない真っ白なティーカップをリヴァイの前に置き、ノアはコーヒー片手に机に向かった
「お前はコーヒーが好きなのか」
「……あぁ、紅茶は飲めない」
「そうか…」
ノアは先ほどまで腕に抱えていた書類を出し、目を通していく
お互いなにを話すでもなくただただ時間を共にする
流れる空気は穏やかそのものだった
ついこの間まで窃盗をしていたやつの雰囲気ではない
書類から視線をあげリヴァイを見る
「…リヴァイ、キミはーーー」
本当にエルヴィンを殺そうと思うのか
そう言葉を続けるはずだった