第2章 2
遮られたのはコンコンと音がする扉
リヴァイからその方に視線を変え、どうぞと返事をする
「失礼します」
キチッとした態度でノアの部屋に入ってくるのは部下のリアム
リアムはリヴァイをチラッと見ると少し嫌そうな表情をしてから何事も無かったかのようにノアに向き直る
「ノアさん、コーヒーに合いそうなスコーンを見つけたので買ってきました!よかったら食べてください」
リアムが差し出す袋の中にはチョコチップだったり抹茶だったりのスコーンが沢山入っていた
「あぁ、ありがとう
仕事の合間に食べさせてもらうよ」
ふわり微笑んだノアにリアムは嬉しそうに笑い、失礼しますと部屋から出て行った
早速スコーンを一つ取り出し
「リヴァイ、キミも食べるかい?」
「……いらねぇ」
先ほどよりも少しだけ不機嫌なリヴァイだが表情は全く変わらない
ノアはまた書類に目を落とす
減ってはいるがなくならない紙に内心ため息をつく
壁外調査を明日に控えている今あまり疲れを残したくはない
「…キミたちは、壁外調査が怖くないのか?」
「……さあな」
窓から入る日が徐々に赤くなり、あざ笑うかのようなその眩しさに目を瞑った