第11章 11
ハンジから伝言をもらい、リアムの家に行くために馬車に乗っていたノア
ガタガタと揺れ少し不快感が募るが、それよりも喜悦が勝る
リヴァイが何気なく放った一言
“待っている”
これがどれだけノアの気持ちを軽くしたか
覚悟を持って兵舎を後にした
責められ、お前のせいだと
どこにも吐き出せない気持ちをぶつけてもらう覚悟
これまでだって何百という人数の死亡通知を届けた
もちろん、あんたたちのせいだと責め立てられたこともあったし
何も言わずに泣きじゃくられたことだってある
それでも、ほとんどが
あの子は役にたちましたか
これが実力だったの
いつもお話を伺っていたわ、
優しく頼りのある上司の方で本当に良かった
そんな言葉をくれた
いたたまれなかった
私がもっとしっかりしていれば
正しく、素早く指示を出していれば
私は頼りになる上司などではない