第11章 11
あれから、3時間4時間と時は過ぎていく
ノアに待っていると言ったリヴァイは一歩も外に出ることもなく、ノアの部屋にいた
冷め切った紅茶の入っているカップ
ノアは、忘れられない記憶とだけ答えた
それを少しでも軽く
少しでも一緒に背負うことは許されないのだろうか
全てを自分のせいだと
嫌なものを引き受けようとする
あの小さな背中にはどれほどの重力がかかっているのか
大丈夫だ、と言うけれども
この世界に永遠はない
どこかで終わりがくる
いつか
明日かもしれないし
まだ先かもしれない
それでも、
耐えきれない日は必ずくる
「っ、リヴァイ!」
これでもかと勢いよく開かれた扉はバァンと大きな音を立てた
「…なんだメガネ」
うるせぇぞ、そう言おうとハンジの顔を見たリヴァイは悪態をつくのをやめた
この世の終わりというほど青い顔をしていたから
「……なにがあった」
「っ、ノアが、…ノアがいなくなった」