第11章 11
それからエルヴィンやハンジは忙しなく働いていた
犠牲が少なかったとはいえ全くないわけではない
夜には死亡者の割り出しをし、翌日は朝から出払っている
「何もないとは思うが、任せたぞ」
留守を頼むとでも言うようなエルヴィンに
リヴァイは、はっと笑い早く行けよと促す
馬車に乗り込むエルヴィンに続くハンジだったが
ステップに足を掛けたところで振り返った
「落ち着いていたらノアのところに行って欲しい」
いつものおちゃらけた雰囲気は全くなく、仲間を思ってというよりは大切な友人を心配する顔だった
「あぁ、言われなくてもな」
ノア、だから言っただろう
お前は1人じゃない
何を抱えているのかは知らないが
全てを背負おうとする必要はない
ここにいる仲間たちに分けたって
誰一人嫌な顔などしない
それは俺も含めてだ
むしろもっと頼ってほしい
甘えてほしい
そう思っている